FIRE・時間

50代・子ども3人でもFIREできる?教育費6,650万円と老後資金を試算

2026年8月12日

「金融資産が1億円を超えたら、もう会社を辞めても大丈夫なのだろうか」

私は大手メーカーに勤務する50歳の会社員で、妻と3人の子どもと暮らしています。

資産形成を続けた結果、わが家の金融資産は1億円を超えました。

結論からいうと、子ども3人の教育費や住宅ローンを考えると、今すぐ収入を完全にゼロにする「完全FIRE」は慎重に判断する必要があります。

一方、年間約80万円の配当金と、ブログなどから得られる小さな収入を組み合わせる「サイドFIRE」であれば、現実味が高まります。

完全FIREを慎重に考えている大きな理由は、子ども3人の教育費です。

3人とも中学から私立へ進み、私立理系大学と大学院まで進学し、大学と大学院の6年間は一人暮らしをするケースでは、教育費と生活費の総額が約6,650万円になると試算しました。

教育費の条件と内訳は、次の記事で紹介しています。

関連記事:「子ども3人の教育費は約6,650万円|中学から私立・理系大学院まで試算」

この記事では、資産額や生活費を一定の範囲に丸めながら、50代・子ども3人のわが家が今すぐFIREできるのかを考えます。

この記事でわかること

  • 金融資産1億円超でも完全FIREを慎重に考える理由
  • 教育費、生活費、住宅ローンを含めたFIREの試算条件
  • 完全FIREした場合に資産から補う年間金額
  • 配当金とブログ収入を組み合わせる効果
  • わが家が完全FIREよりサイドFIREを目指す理由

※本記事は、わが家の状況をもとにした概算です。将来の運用成績、物価、税金、社会保険料、教育費などを保証するものではありません。投資や退職に関する最終的な判断は、ご自身の状況に応じて行ってください。

わが家が目指すFIREとは

FIREは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的自立と早期退職を意味します。

ただし、私が望んでいるのは、何もせずに暮らすことではありません。

これまで会社員として働くなかで、仕事が忙しく、家族と過ごす時間や心の余裕が少なくなる時期がありました。2026年に3人目の子どもの育児休業を取得し、子どもたちと向き合う時間が増えたことで、働き方を改めて考えるようになりました。

私が目指しているのは、次のような生活です。

  • 家族と過ごす時間を増やす
  • 子どもの成長や挑戦を近くで応援する
  • 会社の収入だけに依存しない
  • 配当金やブログ収入を育てる
  • お金のためだけに働く状態から離れる

つまり、完全に働かないことよりも、働く時間や仕事内容を自分で選べる状態を目指しています。

できるだけ早く会社員中心の生活から移行したいという気持ちはありますが、教育費と老後資金を犠牲にしてまで急ぐつもりはありません。

FIREを試算するための家計条件

家族の安全とプライバシーを考え、正確な資産額や口座残高は公開しません。今回の試算では、数字を次のように丸めています。

項目概算
金融資産1億円超
年間生活費約500万~550万円
年間配当金約80万円
住宅ローン残高2,000万円未満
退職金60歳時点で2,000万円前後の見込み
公的年金夫婦合計で月約25万円の見込み
子ども3人の教育費約6,650万円

金融資産の中心はインデックス投資で、このほかに現金と高配当株を保有しています。

わが家が金融資産1億円超を築くまでに続けてきたことは、次の記事で紹介しています。

関連記事:「金融資産1億円超までの25年|50代会社員がやめた4つ・続けた5つ」

年間生活費には、住宅ローン返済や現在の教育費なども含まれています。ただし、将来の私立中学・高校、大学、大学院、一人暮らしで増える費用をすべて含んでいるわけではありません。

そのため、現在の生活費だけを基準に「資産の4%以内だから大丈夫」と判断するのは危険だと考えています。

1億円超でも今すぐ完全FIREが不安な理由

金融資産が1億円を超えると、十分な金額に見えるかもしれません。

しかし、わが家にはこれから発生する大きな支出が複数あります。

子ども3人の教育費が約6,650万円かかる

最も大きいのが教育費です。

今回の約6,650万円は、3人全員が想定どおりの進路を選んだ場合の金額です。受験料、引っ越し費用、家具・家電、留学、物価上昇などは十分に含まれていないため、実際の負担はさらに増える可能性があります。

一方で、国公立大学へ進む、自宅から通う、大学院へ進学しないなど、進路によっては負担が減る可能性もあります。

大切なのは、6,650万円を必ず使うと決めることではなく、負担が大きいケースにも対応できる準備をしておくことです。

教育費のピークが60代半ばと重なる

子ども3人の年齢が離れているため、教育費は一度に終わりません。

特に負担が大きくなると想定しているのは2040~2041年ごろです。この時期には、複数の子どもの大学・大学院・私立学校の費用が重なり、年間の教育関連費(学費と大学生の一人暮らし費用の合計)が、約600万~650万円に達する可能性があります。

私はそのころ60代半ばです。

一般的には定年や年金生活を考える時期ですが、わが家では教育費のピークと重なる可能性があります。

住宅ローンも残っている

わが家には、2,000万円未満の住宅ローンが残っています。

住宅ローンは毎月の生活費に含めて管理していますが、会社を辞めた後も返済は続きます。FIRE後は給与収入がなくなるため、相場下落時でも返済資金を確保しなければなりません。

金利だけを見て繰り上げ返済を決めるのではなく、教育費に備える現金とのバランスを考える必要があります。

株価下落と退職が重なる可能性がある

金融資産の多くをインデックス投資で保有しているため、株価が下落すれば資産評価額も減少します。

退職直後に大きな下落が起こり、生活費のために投資信託を売却すると、その後の回復に使える資産まで減らしてしまいます。

投資信託や株式には元本割れの可能性があります。金融庁は、値動きの異なる資産へ分散し、長期・積立・分散投資を行う考え方を紹介しています。

外部リンク:「資産形成の基本」

FIRE後は新たな給与から積み立てる力が弱くなるため、現役時代よりも現金の役割が大きくなると考えています。

完全FIREした場合の年間収支を概算

まず、会社を辞めて給与収入がなくなり、ブログ収入もないケースを考えます。

項目年間の概算
生活費500万~550万円
配当金約80万円
資産から補う金額約420万~470万円

税金や社会保険料の変化を単純化した概算ですが、毎年400万円を超える金額を資産から取り崩す可能性があります。

さらに、私立学校への進学や一人暮らしが始まれば、現在より支出が増えます。

この状態が年金受給まで10年以上続くと、相場が好調なら維持できても、下落や物価上昇が重なった場合の余裕が小さくなります。

資産1億円に対して年間400万円を取り崩すと、単純計算では4%です。しかし、わが家には通常の生活費とは別に大きな教育費が控えています。

したがって、「1億円の4%だから年間400万円を使える」と単純には考えられません。

年金が始まる65歳以降も教育費は続く

わが家では、夫婦の公的年金を合計して月約25万円、年間約300万円と見込んでいます。

公的年金は原則として65歳から受け取れますが、実際の受給額は、加入期間、退職時期、制度改正、受給開始時期などによって変わります。

公的年金の受給要件や支給開始時期については、日本年金機構の「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」で確認できます。

65歳以降の年間収支を単純化すると、次のようになります。

項目年間の概算
生活費500万~550万円
公的年金約300万円
配当金約80万円
不足額約120万~170万円

年金と配当金で生活費の多くを賄える見込みですが、ここに大学・大学院・一人暮らしの費用が加わります。

また、退職時期を早めると厚生年金への加入期間が短くなり、現在の見込み額より受給額が下がる可能性があります。

年金見込み額は固定された金額ではないため、退職前に「ねんきんネット」で再試算する必要があります。

配当金とブログ収入を組み合わせるサイドFIRE

今すぐ完全FIREするよりも、わが家に合っていると感じるのがサイドFIREです。

サイドFIREとは、資産運用だけで生活費の全額を賄うのではなく、配当金や小さな事業収入などを組み合わせる方法です。

わが家には現在、年間約80万円の配当金があります。

さらに、ブログが育ち、月5万円の収入を得られるようになったケースを考えます。

項目年間の概算
生活費500万~550万円
配当金約80万円
ブログ収入約60万円
資産から補う金額約360万~410万円

月5万円のブログ収入でも、年間では60万円です。10年間続けば、税金などを考慮する前の単純合計で600万円になります。

金額だけでなく、会社以外の収入源があることは、退職への心理的な負担を小さくしてくれます。

ブログ収入が月10万円になれば年間120万円です。配当金と合わせて年間約200万円となり、資産の取り崩しをさらに抑えられます。

ただし、配当金は企業の業績によって減配・無配になる可能性があり、ブログ収入も安定するとは限りません。どちらも給与と同じ確実な収入としては扱わず、保守的に見積もります。

わが家がFIRE前に確認したい5つの条件

できるだけ早くFIREしたいからこそ、勢いだけで会社を辞めないよう、次の条件を確認します。

1.教育費を別枠で見える化する

教育費約6,650万円を一度に現金で確保する必要はありません。

それでも、子どもごとに必要な時期と金額を整理し、数年以内に使う資金はインデックス投資から段階的に現金へ移します。

教育費を投資と現金に分けて準備する考え方は、次の記事で紹介しています。

関連記事:「子ども3人の教育費6,650万円をどう貯める?ジュニアNISAとインデックス投資で準備」

2.生活費2~3年分の現金を確保する

株価下落時に投資信託を売らずに済むよう、生活費と近い将来の教育費を現金で持ちます。

年間生活費を500万~550万円とすると、2年分で1,000万~1,100万円、3年分で1,500万~1,650万円です。

住宅ローンや教育費を考えると、一般的な生活防衛資金より厚めに準備したいと考えています。

3.ブログ収入を退職前に確認する

ブログは始めたばかりなので、現時点では安定収入として計算しません。

まずは月5万円を目標にし、一定期間継続して収益が得られるかを確認します。

収益が一時的に発生しただけで退職を決めるのではなく、アクセス数、収益源、更新を続けられる時間なども見ます。

4.退職後の税金と社会保険料を試算する

会社を辞めると、健康保険や年金、住民税などの負担方法が変わります。

退職直後は前年の所得をもとに住民税が発生するため、想像より支出が大きくなる可能性があります。

退職前に、健康保険の任意継続と国民健康保険を比較し、国民年金や税金を含めた手取りベースの支出を確認します。

5.完全FIRE以外の働き方も残す

会社を辞めるか、今の働き方を続けるかの二択にする必要はありません。

  • 勤務時間を短くする
  • 負担の小さい仕事へ移る
  • ブログを育てながら働く
  • 配当と小さな収入を組み合わせる
  • いったん休み、再び働ける余地を残す

収入を完全にゼロにしないだけでも、必要な金融資産と取り崩し額は大きく変わります。

現時点の結論|完全FIREよりサイドFIREを目指す

わが家の現状を整理すると、金融資産1億円超はFIREを考えられる大きな土台です。

一方、次の負担が残っています。

  • 子ども3人の教育費約6,650万円
  • 60代半ばに訪れる可能性がある教育費のピーク
  • 2,000万円未満の住宅ローン
  • 年金受給までの生活費
  • 株価下落や物価上昇への備え

このため、今すぐ給与収入を完全にゼロにすることには慎重です。

現時点で目指したいのは、配当金とブログ収入を育てながら、会社への依存度を徐々に下げるサイドFIREです。

会社員を続ける期間が少し延びれば、その間の給与で生活費を賄い、資産の取り崩しを遅らせることができます。退職金や年金見込み額にも影響します。

ただし、資産を最大化するためだけに、家族との大切な時間を失いたくはありません。

お金、家族との時間、健康、経験をすべて「人生資産」と考え、どの時点で働き方を変えるのがよいかを定期的に見直していきます。

まとめ|FIREできる金額より、安心して続けられる形を考える

今回の試算から分かったことは、次のとおりです。

  1. 金融資産1億円超でも、子ども3人の教育費を考えると完全FIREは慎重な判断が必要
  2. 給与がなくなると、年金開始前は年間400万円超を資産から補う可能性がある
  3. 65歳以降も、教育費と一人暮らし費用が続く可能性がある
  4. 年間約80万円の配当金は、資産の取り崩しを抑える助けになる
  5. ブログ収入を育て、サイドFIREを目指す方法が現実的

FIREは、ある金額に到達した瞬間に自動的に完成するものではありません。

家族構成、教育方針、住宅ローン、生活費、年金、退職後に何をしたいかによって、必要な金額は変わります。

わが家では、できるだけ早く働き方の自由を得ることを目指しながら、教育費と老後資金を守れる形を探していきます。

  • この記事を書いた人

みらい所長

大手メーカーに勤務する50代、3児の父。2019年からインデックス投資と高配当株を中心に資産形成を続けています。2026年には3人目の子どもの誕生を機に約2か月の育児休業を取得しました。資産形成、教育費、FIRE、家計、育児、相続など、自分で経験したことを実際の数字とともに発信しています。

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