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FIRE後の税金・社会保険料はいくら?退職後1年目の負担を試算

2026年8月26日

「50代でFIREしたら、退職後1年目の税金や社会保険料はいくらかかるのだろう」

会社を辞めれば給与収入はなくなります。しかし、住民税や国民健康保険料には前年の所得が反映されるため、退職直後の負担がすぐに軽くなるとは限りません。

私は、53歳の3月末に会社を退職し、妻と子ども3人の5人家族でサイドFIREを始める場合を検討しています。退職前年の給与収入を約1,000万円として試算したところ、本人と子ども3人が国民健康保険へ加入する場合、退職後1年目の税金・社会保険料は年間約195万~200万円となりました。

一方、勤務先の健康保険を任意継続した場合は、年間約135万~140万円となる見込みです。健康保険の選び方によって、年間負担に約60万円の差が生じます。

選択肢税金・社会保険料の年間合計
本人と子ども3人が国民健康保険へ加入約195万~200万円
本人が任意継続し、子ども3人を扶養にする約135万~140万円
差額約60万円

この結果から、私の場合は退職後の生活費だけでなく、退職後1年目の税金・社会保険料を現金で確保し、国民健康保険と任意継続を比較してから退職を判断する必要があると分かりました。

この記事では、2026年度の制度とわが家の条件をもとに、退職後1年目の住民税、健康保険料、国民年金保険料を試算します。また、健康保険の選択によって負担がどの程度変わるのかも整理します。

※本記事の金額は、2026年度の制度とわが家の条件による概算です。税金や社会保険料は、退職時期、所得控除、居住する自治体、加入する健康保険組合などによって異なります。実際に退職する際は、勤務先の健康保険組合、自治体、年金事務所、税務署などへご確認ください。

この記事でわかること

  • 退職直後に税金・社会保険料が高くなる理由
  • 前年の給与収入が約1,000万円の場合の負担額
  • 退職後に選べる健康保険の4つのケース
  • 妻の扶養・任意継続・国民健康保険の違い
  • FIRE前に別枠で準備しておきたい金額

FIRE後もすぐには負担が軽くならない

会社員を退職すると、給与から天引きされていた住民税や社会保険料を自分で支払うようになります。

住民税と国民健康保険料は前年所得の影響を受けるため、会社を辞めて給与がなくなっても、すぐに負担が下がるとは限りません。

FIRE直後には、生活費とは別に税金と社会保険料を準備しておく必要があります。

今回の試算条件

今回は、わが家が50代半ばでFIREするケースを想定します。

項目試算条件
退職時の年齢50代半ば
退職前年の給与収入約1,000万円
家族構成夫婦と子ども3人
妻の働き方パート
妻の社会保険勤務先の健康保険・厚生年金に加入
国民健康保険の加入者夫と子ども3人の計4人
居住地東京都内
夫の年齢40~64歳のため介護保険料の対象
制度2026年度

※居住地の特定を避けるため、自治体名は伏せています。国民健康保険料は、実際に居住する自治体の2026年度の料率を使って試算しました。

妻は勤務先の健康保険と厚生年金へ加入しているため、今回の国民健康保険と国民年金の試算には含めていません。

退職後の住民税は約60万〜65万円を想定

住民税は、前年の1月から12月までの所得をもとに計算されます。

会社を辞めて現在の給与収入がゼロになっても、前年に給与収入があれば、その所得に対する住民税を支払わなければなりません。

前年の給与収入が約1,000万円の場合、住民税は年間約60万〜65万円になる可能性があります。

月平均にすると、約5万〜5万4,000円です。

実際の住民税額は、社会保険料控除や医療費控除、ふるさと納税、退職時期などによって変わります。

また、年の途中で退職すると、その年に受け取った給与や賞与が、翌年度の住民税へ反映されます。

具体的な金額は、退職前に居住する自治体の住民税担当窓口で確認する予定です。

退職後の健康保険は任意継続を第一候補にする

退職後の健康保険には、国民健康保険、勤務先の健康保険の任意継続、家族の扶養に入る方法などがあります。

わが家の条件で試算すると、夫と子ども3人が国民健康保険へ加入した場合は年間約113万円、任意継続では年間約53万2,000円となりました。今回の試算では、任意継続の方が年間約60万円安くなります。

妻の健康保険の扶養に入る方法もありますが、収入条件などを満たす必要があります。また、将来的に事業が安定した場合は、法人を設立して社会保険へ加入する方法も選択肢になります。

国民健康保険と任意継続の保険料、計算方法、申請時の注意点については、以下の記事で詳しく比較しています。

関連記事:「退職後の健康保険は国保と任意継続のどちらが安い?5人家族で比較」

4つのケースを比較

退職後の健康保険と年金の選択肢を整理すると、次のようになります。

ケース特徴注意点
妻の扶養条件を満たせば、健康保険料と国民年金保険料の追加負担は原則としてない本人の収入など、扶養認定の条件を満たす必要がある
任意継続子ども3人を扶養にしても保険料は原則として増えず、今回の試算では年間約53万円申請期限が短く、加入できるのは最長2年間
国民健康保険任意継続などを利用しない場合に加入し、今回の試算では年間約113万円扶養制度がなく、前年所得が高い退職直後は負担が大きい
ブログ法人法人の健康保険と厚生年金へ加入できる法人の設立費用、社会保険料の会社負担分、法人維持費が必要

妻の扶養に入れる場合が最も負担を抑えられる可能性があります。ただし、私は退職後もブログなどの事業所得や配当収入を見込んでいるため、扶養条件を満たせない可能性があります。

そこで現時点では、任意継続を第一候補とし、国民健康保険の保険料と比較して判断する方針です。ブログ法人については、ブログ収入が継続し、法人維持費を無理なく負担できる段階になってから検討します。

国民健康保険なら約200万円、任意継続なら約135万~140万円

退職前年の給与収入を約1,000万円とした場合、本人と子ども3人が国民健康保険へ加入するケースと、本人が任意継続して子ども3人を扶養にするケースを比較します。

負担項目国民健康保険任意継続
住民税約60万~65万円約60万~65万円
健康保険料約113万円約53万2,000円
国民年金保険料約21万5,000円約21万5,000円
合計約195万~200万円約135万~140万円

国民健康保険を選ぶ場合、税金・社会保険料の合計は年間約195万~200万円、月平均では約16万~17万円です。

任意継続を選ぶ場合は、年間約135万~140万円、月平均では約11万~12万円となります。

いずれも、食費や住宅ローンなどの基本生活費とは別に必要になる金額です。しかし、健康保険を任意継続に変えることで、退職後1年目の負担を年間約60万円抑えられる見込みです。

当初は国民健康保険へ加入する前提で約200万円を準備する必要があると考えていました。その後、勤務先の健康保険組合の任意継続保険料を調べたことで、健康保険の選択が退職後の家計に大きく影響することが分かりました。

わが家の基本生活費は月平均約43万円です。実際の支出については、次の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:「5人家族の生活費は月平均約43万円|子ども3人家庭の家計を公開」

月30万円の事業所得を退職条件にはしない

別の記事では、53歳でサイドFIREした場合に必要となる事業所得を試算しました。

基本生活費に退職後の税金・社会保険料を加え、配当金やインデックス投資の取り崩し額を差し引くと、資産の減少を抑えるためには月30万円前後の事業所得が必要になるという結果でした。

関連記事:「50代でサイドFIREするなら月いくら稼げばいい?5人家族の必要収入を試算」

しかし、月30万円をブログだけで稼げることを退職条件にすると、会社を辞めるハードルが非常に高くなります。

今回の再計算では、健康保険を国民健康保険から任意継続に変えることで、退職後1年目の負担を年間約60万円、月平均で約5万円抑えられる見込みとなりました。

また、退職後1年目の税金・社会保険料をあらかじめ現金で確保しておけば、その全額を毎月の事業所得で賄う必要はありません。

そのため、現時点では次の方針を考えています。

  • 退職後1年目の税金・社会保険料を現金で確保する
  • 退職直後は任意継続を第一候補にする
  • 事業所得は、まず月5万円を目標にする
  • 配当金、事業所得、現金を組み合わせて生活する
  • 退職後の最初の3年間は、投資資産を原則として売却しない
  • 4年目以降は、相場と現金残高を見ながら投資資産の取り崩しを検討する

サイドFIREは、事業所得だけで生活費のすべてを賄う働き方ではありません。収入、配当金、現金、投資資産をどのように組み合わせるかを考えることが重要です。

私の場合も、月30万円という一つの数字だけで判断せず、健康保険の選び方や現金の使い方を含めて、退職後の生活を考えていきます。

退職2年目以降は負担が下がる可能性がある

住民税と国民健康保険料は、前年所得の影響を受けます。

退職後に給与収入がなくなり、ブログ収入や投資利益も少なければ、その所得が反映される年度から負担は下がります。

ただし、年の途中で退職すると、その年に受け取った給与や賞与が、翌年度の住民税と国民健康保険料へ反映されます。

負担が十分に下がるまで、退職時期によっては1年以上かかる可能性があります。

そのため、退職後の税金と社会保険料として、最大約200万円を目安に、生活防衛資金とは別に確保しておきたいと考えています。

配当金や投資信託の売却益にも注意する

FIRE後は、給与の代わりに配当金や投資信託の売却代金を生活費に使う可能性があります。

NISA口座の配当金や売却益は非課税ですが、課税口座の上場株式や投資信託の利益には、原則20.315%の税金がかかります。

また、配当金や売却益を確定申告すると、国民健康保険料や扶養認定へ影響する可能性があります。

FIRE後は税金の還付だけでなく、社会保険料への影響も確認する必要があります。

上場株式や配当金にかかる税金については、以下の国税庁のページで確認できます。

参考:「株式・配当・利子と税」

FIRE後にどの資産から使うかについては、次の記事で詳しく考える予定です。

1億円あっても税金と社会保険料は無視できない

わが家の金融資産は1億円を超えています。

それでも、子ども3人の教育費、住宅ローン、老後資金に加え、退職後の税金と社会保険料を考えると、すぐに完全FIREしてよいとは判断できません。

完全FIREより、ブログなどの収入を組み合わせたサイドFIREの方が、現時点では現実的だと考えています。

子ども3人の教育費と老後資金を含め、50代でFIREできる可能性については、以下の記事で試算しています。

関連記事:「50代・子ども3人でもFIREできる?教育費6,650万円と老後資金を試算」

まとめ|任意継続を第一候補にし、退職後の負担を現金で準備する

53歳の3月末に会社を退職し、退職前年の給与収入が約1,000万円だった場合、退職後1年目の税金・社会保険料は、健康保険の選び方によって大きく変わります。

負担項目国民健康保険任意継続
住民税約60万~65万円約60万~65万円
健康保険料約113万円約53万2,000円
国民年金保険料約21万5,000円約21万5,000円
合計約195万~200万円約135万~140万円

本人と子ども3人が国民健康保険へ加入する場合は、年間約195万~200万円となります。一方、本人が任意継続し、子ども3人を扶養にできる場合は、年間約135万~140万円となる見込みです。

今回の確認によって、私の場合は任意継続を選ぶことで、退職後1年目の負担を年間約60万円抑えられる可能性があると分かりました。

ただし、任意継続の保険料率や標準報酬月額の上限は年度によって変わる可能性があります。子ども3人を扶養にできるかどうかも、健康保険組合による確認が必要です。

そのため、実際に退職する際は、次の順番で確認します。

  1. 私が妻の健康保険の扶養に入れるか
  2. 子ども3人を妻の扶養へ移せるか
  3. 勤務先の健康保険を任意継続した場合の保険料
  4. 本人と子ども3人が国民健康保険へ加入した場合の保険料
  5. 本人だけが国民健康保険へ加入した場合の保険料

現時点では、任意継続を第一候補にします。また、制度や家族の状況が変わった場合に備え、退職後1年目の税金・社会保険料として、最大約200万円を現金で確保しておく方針です。

会社を辞めても、税金や社会保険料の負担がすぐになくなるわけではありません。しかし、制度を一つずつ調べて比較することで、必要な金額と準備すべきことが具体的になりました。

私にとってサイドFIREは、事業所得だけで生活費を稼ぐことではありません。配当金、事業所得、現金、将来の資産取り崩しを組み合わせながら、家族との時間を確保できる働き方を目指します。

  • この記事を書いた人

みらい所長

大手メーカーに勤務する50代、3児の父。2019年からインデックス投資と高配当株を中心に資産形成を続けています。2026年には3人目の子どもの誕生を機に約2か月の育児休業を取得しました。資産形成、教育費、FIRE、家計、育児、相続など、自分で経験したことを実際の数字とともに発信しています。

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