「子ども3人を中学から私立に通わせ、大学院まで進学させると、教育費はいくら必要になるのだろう」
わが家には、小学2年生の長女、年中の長男、0歳の次女がいます。
子どもたちには、できるだけ多くの選択肢を残したいと考えています。そのため、中学から私立へ進学し、私立理系大学を経て大学院まで進むケースを想定して、将来の教育費を試算しました。
さらに、大学と大学院の6年間は、3人とも一人暮らしをする前提です。
試算した結果、中学校から大学院修了までに必要となる金額は、1人あたり約2,217万円、3人では約6,650万円になりました。
ただし、約6,650万円は将来必ずかかる金額ではありません。現在公表されている平均額を使い、教育費の負担が大きくなるケースを想定した目安です。
この記事でわかること
- 子ども3人が私立中学校から私立大学院まで進学した場合の教育費
- 1人約2,217万円、3人約6,650万円となる内訳
- 3人の教育費が重なる時期と年間負担額
- 多子世帯の大学授業料支援を試算から差し引かなかった理由
- 教育費と老後資金を両立するために考えていること
※今回の試算は、2026年8月時点で確認できる統計や制度をもとにしています。将来の物価上昇、受験料、引っ越し初期費用、留学費用などは含めていません。
子ども3人の教育費を試算した理由
私は大手メーカーに勤務する50歳の会社員で、3人の子どもを育てる父親です。
投資を本格的に始めたのは、第1子が生まれた2019年です。
子どもが生まれたことで、教育費や自分たちの老後資金など、家族の将来に必要なお金を具体的に考えるようになりました。
そのなかで、特に気になったのが教育費です。
わが家では、子どもたちが希望すれば、中学から私立へ進み、大学院まで学べる環境を用意したいと考えています。
私自身も大学院を卒業しています。大学院で学んだ経験は、その後の仕事や考え方にも影響を与えました。そのため、子どもが大学院への進学を希望した場合は、できる限り応援したいと思っています。
一方で、私はすでに50代です。
長女だけでなく、0歳の次女が大学院を修了するまで考えると、教育費の負担は私たち夫婦の老後まで続きます。
「何となく大変そう」と不安になるだけでなく、必要な金額と時期を把握するため、具体的に試算してみました。
わが家の家族構成と進路の前提
今回の試算では、次の条件を設定しました。
- 長女:小学2年生
- 長男:年中
- 次女:0歳
- 小学校までは公立
- 中学校から高校まで私立
- 大学は私立理系の4年制
- 大学院は私立の修士課程2年間
- 大学・大学院の6年間は一人暮らし
- 奨学金や授業料減免は差し引かない
- 医学部、歯学部、薬学部などの6年制学部は含めない
今回計算するのは、中学校入学後から大学院修了までの費用です。
現在通っている小学校や幼稚園の費用、中学受験に向けた塾代、受験料などは含めていません。
進学先や住む地域によって実際の金額は大きく変わるため、あくまで現在の平均額を使った目安です。
私立中学校3年間で約468万円
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立中学校の学習費総額は、1年間で約156万円です。
3年間では、次の金額になります。
約156万円×3年間=約468万円
学習費総額には、授業料や入学金だけでなく、教材費、通学費、学校行事費、塾や習い事などの学校外活動費も含まれています。
私立中学校は学校による違いも大きく、制服代、寄付金、海外研修、部活動費などが別に必要になる場合があります。
また、中学校へ入学する前には、中学受験のための塾代もかかります。
今回の約468万円には中学受験費用を含めていないため、実際にはさらに余裕を持って準備する必要があります。
今回使用した私立中学校・高校の学習費は、文部科学省の調査結果をもとにしています。
外部リンク:「結果の概要-令和5年度子供の学習費調査」
私立高校3年間で約354万円
文部科学省の訂正後の調査結果では、私立高校の学習費総額は、1年間で約118万円です。
3年間では、次の金額になります。
約118万円×3年間=約354万円
高校でも、授業料以外に施設費、教材費、制服代、通学費、修学旅行費、塾や予備校の費用などが発生します。
大学受験の学年になると、予備校代や模試代、複数の大学を受験するための受験料も増える可能性があります。
国や自治体による高校授業料の支援制度はありますが、制度の内容は将来変わる可能性があります。そのため、今回の試算では支援を差し引かず、平均的な学習費総額をそのまま使用しています。
私立中学校と私立高校を合わせると、1人あたり約822万円です。
私立理系大学4年間で約542万円
文部科学省の令和5年度調査によると、私立理系大学の初年度納付金の平均は約153万円です。
2年目以降は入学金がなくなるため、授業料と施設設備費などを合わせて、3年間で約389万円として計算します。
- 1年目:約153万円
- 2~4年目:合計約389万円
- 4年間合計:約542万円
私立理系は、文系と比べて授業料や実験実習費が高くなる傾向があります。
さらに、パソコン、専門書、実験用品、資格試験、研究活動などの費用が必要になることもあります。
私立大学の学費は、大学や学部によって異なります。進学先を検討する際は、文部科学省の調査に加え、各大学の募集要項や学生納付金を確認する必要があります。
私立大学院2年間で約210万円
今回の試算では、大学卒業後に私立大学院の修士課程へ2年間進学する想定です。
私立大学院は、大学や研究科によって学費が大きく異なります。理系では実験や研究設備を使用するため、文系より高くなる場合もあります。
今回は、入学金、授業料、施設設備費などを合わせて、2年間で約210万円として計算しました。
大学院では、学費以外にも、研究に必要な書籍や機材、学会参加費、交通費などがかかる可能性があります。
大学院への進学は、子ども本人の希望や研究分野、就職との関係を考えて決めることになります。
現時点では進学を確定しているわけではありませんが、希望したときに「お金がないから諦めてほしい」と言わずに済むよう、最初から想定に入れています。
一人暮らし6年間で約643万円
大学と大学院の6年間は、3人とも一人暮らしをする前提にしました。
日本学生支援機構の学生生活調査を参考に、下宿・アパートなどで暮らす大学生の生活費を、月約8万9,000円として計算します。
約8万9,000円×12か月×6年間=約643万円
生活費には、主に次のような支出が含まれます。
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 通信費
- 日用品費
- 保健衛生費
- 娯楽・交際費
ただし、東京など家賃が高い地域では、月約8万9,000円を超える可能性があります。
また、入学時には敷金・礼金、引っ越し代、家具、家電、パソコンなどの購入費も必要です。
今回の試算には、こうした一人暮らしを始める際の初期費用は含めていません。
一人暮らしの生活費は、日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査」を参考にしています。
子ども3人の教育費総額は約6,650万円
ここまでの費用を合計すると、次のようになります。
| 項目 | 1人分 | 3人分 |
|---|---|---|
| 私立中学校3年間 | 約468万円 | 約1,404万円 |
| 私立高校3年間 | 約354万円 | 約1,062万円 |
| 私立理系大学4年間 | 約542万円 | 約1,626万円 |
| 私立大学院2年間 | 約210万円 | 約630万円 |
| 一人暮らし6年間 | 約643万円 | 約1,929万円 |
| 合計 | 約2,217万円 | 約6,651万円 |
1人あたり約2,217万円、3人では約6,650万円です。
しかも、この金額には次の費用が含まれていません。
- 中学受験の塾代
- 中学・高校・大学の受験料
- 滑り止め大学への入学金
- 一人暮らしを始める際の引っ越し費用
- 家具や家電の購入費
- パソコンや専門書
- 留学費用
- 物価や学費の上昇
実際に必要になる金額は、約6,650万円より多くなる可能性があります。
一方で、全員が同じ進路を選ぶとは限りません。国公立大学へ進学したり、自宅から通学したり、大学院へ進学しなかったりすれば、必要な金額は少なくなります。
大切なのは、約6,650万円を確定した支出と考えることではなく、負担が大きくなるケースを事前に把握することです。
教育費の総額を把握しただけでは、実際の準備は進みません。わが家では、旧ジュニアNISAとインデックス投資を活用し、子ども3人の教育費を準備しています。
関連記事:「子ども3人の教育費6,650万円をどう貯める?ジュニアNISAとインデックス投資で準備」
教育費が重なるピークは60代半ば
子ども3人の年齢が離れているため、教育費が一度に集中しないようにも見えます。
しかし、大学や大学院まで考えると、複数人の教育費が重なる時期があります。
現在の学年を基準にすると、おおよその進学時期は次のとおりです。
| 子ども | 私立中学 | 私立高校 | 私立大学 | 私立大学院 |
|---|---|---|---|---|
| 長女 | 2031~2033年頃 | 2034~2036年頃 | 2037~2040年頃 | 2041~2042年頃 |
| 長男 | 2034~2036年頃 | 2037~2039年頃 | 2040~2043年頃 | 2044~2045年頃 |
| 次女 | 2039年前後から | 2042年前後から | 2045年前後から | 2049年前後から |
※誕生日や入学年度によって1年前後ずれる可能性があります。
特に負担が大きくなるのは、2040~2041年頃です。
この時期には、長女が大学または大学院、長男が大学、次女が私立中学または高校に在籍する可能性があります。
年間の教育関連費(学費と大学生の一人暮らし費用の合計)は、約600万~650万円に達する可能性があります。
私はその頃、60代半ばです。
一般的には定年や退職を考える時期ですが、わが家では教育費のピークと重なる可能性があります。
FIREや働き方を考える際にも、現在の生活費だけでなく、将来の教育費が重なる時期を確認することが重要だと感じました。
教育費を準備する土台となった、わが家の資産形成については次の記事で紹介しています。
関連記事:金融資産1億円超までの25年|50代会社員がやめた4つ・続けた5つ
多子世帯の大学授業料支援は使えるのか
2025年度から、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯を対象に、所得制限なしで、大学などの授業料・入学金を国が定める一定額まで減免する制度が始まっています。
ただし、「子どもが3人いる家庭なら、3人全員が必ず対象になる」という単純な制度ではありません。
大学などへ進学する時点で、扶養する子どもの人数、本人と生計維持者の資産、進学先、学業などの要件を満たす必要があります。
年齢差がある家庭では、上の子が就職して扶養から外れると、下の子の進学時に多子世帯の要件を満たさなくなる可能性があります。
また、わが家の子どもたちが大学へ進学するのは、まだ先です。それまでに制度の内容や要件が変更される可能性もあります。
そのため、今回の試算では、授業料や入学金の減免額を差し引いていません。
利用できれば教育費を抑えられる制度として確認しつつ、制度が利用できない場合にも対応できる金額を準備する方針です。
制度については、2026年8月時点の情報をもとにしています。最新の内容や対象要件は、文部科学省の公式サイトをご確認ください。
外部リンク:「高等教育の修学支援新制度」
教育費と老後資金をどう両立するか
教育費は大切ですが、教育費にすべての資産を使ってしまうわけにはいきません。
親の老後資金が不足すれば、将来子どもたちに負担をかける可能性があります。
わが家では、教育費と老後資金を両立するため、次のことを意識しています。
教育費と老後資金を分けて考える
教育費と老後資金は、必要になる時期が異なります。
数年以内に必要になるお金まで値動きの大きい資産で運用すると、使いたい時期に相場が下落している可能性があります。
必要になる時期が近づいた教育費は、少しずつ現金などへ移すことも検討します。
長期で使わないお金は投資を続ける
0歳の次女が大学へ進学するまでには、まだ長い時間があります。
すぐに使わない資金については、インデックス投資などを活用しながら、長期的に育てていく方針です。
ただし、投資には元本割れのリスクがあります。将来必ず増えるわけではないため、生活に必要なお金まで投資しないようにしています。
教育費のピークを把握する
総額だけでなく、「いつ、いくら必要になるか」を把握することが重要です。
わが家の場合、60代半ばに年間約600万~650万円の教育費が必要になる可能性があります。
この時期を迎える前に、必要な金額を安全性の高い資産へ移しておく必要があります。
家族の希望を定期的に確認する
子どもが小さいうちに決めた進路が、そのまま実現するとは限りません。
子どもの希望や得意なことは、成長とともに変わります。
今回の試算を絶対的な計画にするのではなく、進路が具体的になるたびに見直していきます。
まとめ|約6,650万円をゴールではなく目安にする
今回の条件では、中学校から大学院修了までの教育費は、次の金額になりました。
- 1人あたり:約2,217万円
- 子ども3人:約6,650万円
- 教育費のピーク:約600万~650万円/年
- ピークの時期:2040~2041年頃
約6,650万円という数字を見ると、大きな負担に感じます。
しかも、中学受験費用、大学受験費用、引っ越し初期費用、物価上昇などは含まれていません。
一方で、進学先、自宅通学の可否、奨学金、授業料減免などによって、実際の金額は変わります。
今回の試算で分かったのは、教育費の総額だけでなく、私たち夫婦が60代半ばになった頃に負担のピークが来る可能性があることです。
わが家では、教育費のために現在の生活をすべて我慢するのではなく、家族との時間や経験も大切にしながら準備を進めていきます。
お金だけではなく、家族との時間、経験、健康、学びも大切な「人生資産」です。
これからも家族の希望を確認しながら、教育費と老後資金を両立できるよう、定期的に計画を見直していきたいと思います。
※この記事は、現在公表されている統計をもとにしたわが家の試算です。実際の費用は、進学先、居住地域、物価、制度変更などによって異なります。