金融資産が1億円を超えても、FIRE後にどの資産から使うかを決めていなければ、安心して会社を辞めることはできません。
わが家の場合、現時点で考えている取り崩し方は次のとおりです。
- 高配当株・ETFから受け取る配当金を生活費に使う
- 不足分を現金から補う
- 退職後の最初の3年間は、課税口座やNISAを売却しない
- 4年目以降は、相場が通常または好調なときに課税口座を一部売却する
- 暴落時は投資信託の売却を抑え、現金を優先する
- NISAは基本的に長く保有する
- 確定拠出年金は60歳以降の老後資金にする
- 子ども名義の資産は教育費として分ける
単純に取り崩す順番を固定するのではなく、退職後の最初の3年間は配当金と現金で生活し、その後は相場の状況を見ながら現金と投資資産を組み合わせる方針です。
この記事では、50代・子ども3人のわが家が、FIRE後にどの資産から取り崩すかを整理します。
この記事でわかること
- FIRE後に資産を取り崩す基本的な順番
- 退職後の最初の3年間に投資資産を売却しない理由
- 相場が好調なときと暴落時の取り崩し方
- 課税口座とNISAを売却するときの考え方
- 教育費と確定拠出年金を生活費から分ける理由
わが家の金融資産は1億円を超えている
わが家の金融資産は、現金、インデックス投資、高配当株・ETFなどを合わせて1億円を超えています。
主な資産は次のとおりです。
| 資産 | 現在の考え方 |
|---|---|
| 現金 | 生活費、教育費、暴落時への備え |
| インデックス投資 | FIRE後の主な取り崩し資産 |
| 高配当株・ETF | 原則売却せず、配当金を受け取る |
| 子ども名義の資産 | 教育費として確保 |
| 確定拠出年金 | 60歳以降の老後資金 |
わが家の現金、インデックス投資、高配当株の配分については、以下の記事で公開しています。
関連記事:「5人家族の資産配分|教育費とFIREに備える現金・投資の考え方」
今回、楽天証券、SBI証券、子どもの口座、確定拠出年金を確認したところ、同じインデックス投資でも、NISA、課税口座、ジュニアNISA、確定拠出年金に分かれていました。
口座によって税金や引き出せる時期が異なるため、すべてを同じ資産として扱うことはできません。
年間生活費から配当金を引いた不足額を取り崩す
わが家の基本生活費は、月約40万6,000円です。
年間にすると、約487万円になります。
一方、高配当株やETFから受け取る配当金は、年間約80万円です。
単純計算では、年間の不足額は次のようになります。
| 項目 | 年間金額 |
|---|---|
| 基本生活費 | 約487万円 |
| 配当金 | 約80万円 |
| 不足額 | 約407万円 |
実際には妻の給与、ブログ収入、税金、社会保険料、教育費、特別支出などもあるため、毎年407万円をそのまま取り崩すわけではありません。
配当金だけで生活費を賄うことは難しいため、不足分は現金やインデックス投資の売却で補う必要があります。ただし、退職後の最初の3年間は投資資産を売却せず、配当金と現金で生活する方針です。
わが家の生活費と特別支出の詳しい内訳については、以下の記事で紹介しています。
関連記事:「5人家族の生活費は月平均約43万円|子ども3人家庭の家計を公開」
取り崩しの1番目は配当金
最初に生活費へ充てるのは、高配当株・ETFから受け取る配当金です。
わが家では、日本の高配当株に加えて、次の米国ETFを保有しています。
- HDV
- SPYD
- VYM
高配当株とETFは原則として売却せず、配当を受け取り続ける予定です。
配当金だけで生活費のすべてを賄うことはできませんが、年間約80万円を受け取れれば、その分だけ現金や投資信託の売却額を抑えられます。
ただし、配当金は企業業績や為替によって変動します。
年間80万円が今後も必ず続くとは考えず、減配も想定しておく必要があります。
取り崩しの2番目は現金
配当金で足りない分は、まず現金から補います。
現金があれば、株価が大きく下落したときに投資信託を安値で売らずに済みます。
FIRE直後に株価が下落し、資産を取り崩しながら運用すると、その後に相場が回復しても資産が戻りにくくなる可能性があります。
そのため、現金は単なる待機資金ではなく、暴落時に資産を守るための役割もあります。
一方、現金をすべて生活費に使ってしまう方針にはしません。
わが家には子ども3人の教育費、住宅ローン、退職後の税金と社会保険料があるからです。
少なくとも次の資金は分けて管理したいと考えています。
- 数年分の生活費
- 子どもの教育費
- 退職直後の税金・社会保険料
- 突発的な支出への備え
退職直後に必要となる税金と社会保険料については、以下の記事で試算しています。
関連記事:「FIRE後の税金・社会保険料はいくら?退職後1年目の負担を試算」
退職後の最初の3年間は投資資産を取り崩さない
わが家では、退職後の最初の3年間は、課税口座やNISAの投資資産を売却しない方針です。
この期間は、高配当株・ETFから受け取る配当金と現金を生活費に充てます。
退職直後に相場が下落しても、生活費を確保するために投資信託を売却せずに済むよう、あらかじめ3年分の不足額を現金で準備しておきます。
ただし、実際に必要な現金額は、妻の給与、ブログ収入、配当金、教育費、税金・社会保険料などを反映して、退職前に改めて計算します。
4年目以降は相場が良いときに課税口座を売却する
配当金と現金だけで生活を続けると、いずれ現金が不足します。
そのため、退職から3年が経過した後は、相場が通常または好調な時期に課税口座のインデックス投資を一部売却し、減った現金を補充します。
確認できた私名義の課税口座には、約2,284万円のインデックス投資があります。
主な商品は次のとおりです。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- VOO
ただし、課税口座の商品を売却すると、売却額の全額ではなく、取得価格を上回った利益部分に税金がかかります。
上場株式等の譲渡益にかかる税率は、復興特別所得税を含めて原則20.315%です。
上場株式等の売却益にかかる税金については、以下の国税庁のページで確認できます。
わが家の課税口座には含み益が大きい商品もあるため、短期間でまとめて売却するのではなく、必要額を見ながら少しずつ売却する予定です。
課税口座から必ず先に売るとは限らない
一般的には、非課税で運用できるNISAを残し、課税口座から先に売る考え方があります。
しかし、課税口座に大きな含み益がある場合、売却すると税金が発生します。
そのため、わが家では「課税口座をすべて売ってからNISAを使う」とは決めません。
売却するときは、次の点を確認します。
- その年に必要な生活費
- 現金の残高
- 課税口座の含み益
- 売却によって発生する税金
- NISAと課税口座の資産配分
- 相場が上昇しているか、下落しているか
税金だけでなく、資産全体のバランスを見ながら売却対象を決めます。
暴落時は投資信託を売らずに現金を使う
FIRE後に避けたいのは、株価が大きく下落しているときに、生活費を確保するため投資信託を売り続けることです。
例えば、株価が30%下落した状態で同じ金額を取り崩す場合、より多くの口数を売却しなければなりません。
そこで暴落時は、次の順番を考えています。
- 配当金を生活費に使う
- 現金から不足分を補う
- 投資信託の売却額を抑える
- 相場の回復後に課税口座を売却して現金を戻す
現金を一定額残すのは、このような相場下落に耐えるためです。
ただし、いつが暴落の底かは分かりません。
相場を予測して売買するのではなく、あらかじめ「現金がいくらまで減ったら補充するか」を決めておく必要があります。
NISAは基本的に長く残す
NISA口座の売却益や配当金は非課税です。
そのため、可能であれば課税口座より長く運用し、非課税のメリットを生かしたいと考えています。
2024年からのNISAでは、商品を売却すると、その商品の取得金額分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。
ただし、復活するのは売却時の時価ではなく取得金額であり、その年の年間投資枠へ上乗せされるわけではありません。
また、旧NISAやジュニアNISAで保有している商品を売却しても、現在のNISAの非課税保有限度額は復活しません。
NISAの非課税保有限度額や、売却後の再利用については、以下の金融庁のページで確認できます。
参考:「NISAを知る」
NISAは基本的に後回しにしますが、課税口座の含み益が大きく、現金も減っている場合は、NISAを売却する可能性もあります。
「NISAだから絶対に売らない」とは決めず、家計全体で判断します。
確定拠出年金は60歳以降の資金にする
私の確定拠出年金の評価額は、約1,295万円です。
全額を「野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI・DC」で運用しています。
確定拠出年金は原則として中途で引き出せず、60歳以降に老齢給付を受け取る制度です。
確定拠出年金の受給開始時期や、中途引き出しの条件については、以下の厚生労働省のページで確認できます。
私は現在50歳ですが、実際にFIREを検討しているのは50代半ばです。そのため、退職してから60歳になるまで、確定拠出年金を生活費に使うことはできません。
そのため、FIREの資金計画は次の2つに分けます。
- 退職後から60歳:現金、配当金、課税口座、必要に応じてNISA
- 60歳以降:上記に加えて確定拠出年金
確定拠出年金が約1,295万円あっても、50代の生活費には使えないため、FIRE直後の資金とは分けて考える必要があります。
子ども名義の資産は生活費に使わない
長女と長男のジュニアNISAなどは、教育費として運用しています。
これらは金融資産全体には含まれますが、FIRE後の生活費として取り崩す対象にはしません。
わが家には子どもが3人いて、中学校以降は私立、大学院まで進学するケースも想定しています。
教育費と生活費を同じ口座で考えると、実際にFIREへ使える金額を多く見積もってしまいます。
そのため、今後は次の3つに分けて管理します。
- FIRE後の生活費に使える資産
- 子どもの教育費
- 60歳以降に使う確定拠出年金
わが家の取り崩しルール
現時点で考えているルールを整理します。
| 状況 | 取り崩し方 |
|---|---|
| 退職後の最初の3年間 | 配当金と現金を使い、課税口座とNISAは原則売却しない |
| 4年目以降の通常時 | 配当金と現金を使い、課税口座を一部売却する |
| 株価上昇時 | 課税口座を売却し、現金を補充する |
| 暴落時 | 投資信託の売却を抑え、現金を優先する |
| 現金が減りすぎた場合 | 課税口座とNISAの売却を比較する |
| 60歳以降 | 確定拠出年金も選択肢に加える |
| 教育費が必要な場合 | 子ども名義の資産や教育費用の現金を使う |
このルールは確定ではありません。
退職時期、相場、ブログ収入、妻の収入、教育費によって見直します。
1億円あっても取り崩し方が重要
金融資産が1億円を超えていても、そのすべてをすぐ生活費に使えるわけではありません。
わが家の場合は、次の制約があります。
- 子ども3人の教育費が必要
- 確定拠出年金は60歳まで原則引き出せない
- 住宅ローンが残っている
- 退職直後は税金と社会保険料が高い
- 投資資産は相場によって大きく変動する
特に50代でFIREする場合は、確定拠出年金を受け取れる60歳までの資金をどう確保するかが重要です。
子ども3人の教育費と老後資金を含め、50代でFIREできる可能性については、以下の記事で試算しています。
関連記事:「50代・子ども3人でもFIREできる?教育費6,650万円と老後資金を試算」
まとめ|配当・現金・売却を組み合わせる
わが家では、FIRE後の資産を取り崩す基本的な優先順位を、次のように考えています。
- 高配当株・ETFから受け取る配当金
- 現金
- 退職後の最初の3年間は、課税口座とNISAを原則売却しない
- 4年目以降は、相場を見ながら課税口座のインデックス投資を売却する
- 必要に応じてNISAを売却する
- 60歳以降は確定拠出年金も利用する
退職後の最初の3年間は、配当金と現金で生活し、投資資産の売却を避けます。
4年目以降は、相場が良いときに課税口座を少しずつ売却して現金を補充し、暴落時には現金を優先して投資資産の売却を抑えます。
また、子ども名義の資産は教育費、確定拠出年金は60歳以降の資金として分けます。
完全FIREを急ぐのではなく、ブログなどの収入を得ながら資産の取り崩し額を抑えるサイドFIREが、今のわが家には現実的です。