「50代でサイドFIREするなら、会社を辞めた後に月いくら稼げばよいのだろう」
金融資産が増えても、収入を完全にゼロにすることには不安があります。
特にわが家は、妻と子ども3人の5人家族です。住宅ローンが残っており、これから私立中学、大学、大学院などの教育費もかかります。
そこで今回は、最短ケースとして2029年3月末に53歳で退職し、ブログなどの事業収入を得ながら生活する場合を試算しました。
結論からいうと、必要な事業所得の目安は、健康保険の選び方や資産を取り崩すかどうかによって変わります。
| 想定する範囲 | 必要な事業所得 |
|---|---|
| 資産を取り崩しながら生活費を補う最低ライン | 月約15万円 |
| 任意継続を利用し、税金・社会保険料まで補う目標ライン | 月約25万円 |
| 国民健康保険を利用し、税金・社会保険料まで補う目標ライン | 月約30万円 |
| 教育費まで収入で厚く備える理想ライン | 月約45万円 |
以前の試算では、本人と子ども3人が国民健康保険へ加入する前提だったため、税金・社会保険料まで含めた事業所得を月約30万円としていました。
その後、勤務先の健康保険を任意継続した場合の保険料を確認したところ、国民健康保険より年間約60万円、月平均で約5万円安くなる見込みだと分かりました。そのため、任意継続を利用する場合の目標ラインは、月約25万円となります。
ただし、月25万円や月30万円を稼げなければサイドFIREできないという意味ではありません。
今回の試算では、妻のパート収入、確定拠出年金、ジュニアNISAの教育費への充当を含めず、金融資産をできるだけ減らさない保守的な条件を置いています。
また、現在のわが家では、退職後の最初の3年間は課税口座やNISAを売却せず、配当金、事業所得、現金を組み合わせて生活する方針です。退職後1年目の税金・社会保険料をあらかじめ現金で準備しておけば、その全額を毎月の事業所得で賄う必要もありません。
そのため、事業所得はまず月5万円を目標にし、資産や現金の使い方と合わせて退職を判断します。
この記事でいう事業所得は、ブログの売上ではありません。サーバー代や外注費などの必要経費を差し引いた後の金額です。
※本記事は、現在の家計や2026年度の制度をもとにした概算です。将来の運用成績、物価、税金、社会保険料などを保証するものではありません。
この記事でわかること
- 53歳でサイドFIREする場合の試算条件
- インデックス投資を年3%取り崩す場合の必要収入
- 生活費だけを補う最低ライン
- 税金・社会保険料まで含めた目標ライン
- 教育費まで収入で備える場合の理想ライン
なお、本記事の月15万円・30万円・45万円という金額は、退職直後からインデックス投資を年3%取り崩す場合の比較試算です。
現在のわが家では、退職後の最初の3年間は課税口座やNISAを売却せず、配当金と現金で生活する方針を考えています。
そのため、本記事の金額は、現時点で確定している必要収入ではありません。資産を計画的に取り崩す場合の目安としてご覧ください。
関連記事:「FIREしたら資産はどこから取り崩す?わが家の取り崩し順を整理」
わが家が考えるサイドFIRE
私が目指しているのは、収入を完全にゼロにする完全FIREではありません。
会社員中心の働き方から離れ、家族との時間を増やしながら、ブログなど自分で選んだ仕事から一定の収入を得る生活です。
サイドFIRE後も少し収入があれば、資産の取り崩しを抑えられます。また、株価が下落したときに投資資産を急いで売却するリスクも減らせます。
一方で、月5万円稼げば十分なのか、月30万円必要なのかによって、退職の現実味は大きく変わります。
そこで、わが家の資産、生活費、教育費を使って必要収入を確認しました。
今回の試算条件
今回の主な条件は次のとおりです。
| 項目 | 試算条件 |
| サイドFIRE開始 | 2029年3月末・53歳 |
| 現在の金融資産 | 約1億2,000万円 |
| 現金 | 約1,500万円 |
| インデックス投資 | 約9,000万円 |
| 高配当株 | 約1,500万円 |
| インデックス投資の想定利回り | 年4% |
| 現在の年間手取り | 約800万円 |
| FIRE試算上の年間生活費 | 約540万円 |
| 物価上昇率 | 年2% |
| インデックス投資の取り崩し率 | 年3% |
| 現在の年間配当金 | 約80万円 |
| 退職金手取り | 約1,950万円 |
| 住宅ローン | 一括返済せず継続 |
| 妻のパート収入 | 試算に含めない |
| 確定拠出年金 | 別枠として試算に含めない |
| ブログ収入 | 53~64歳まで |
| 公的年金 | 65歳から本人分月約17万円 |
妻の年金受給開始は私より後になるため、65歳以降もしばらくは本人分の月約17万円のみを見込んでいます。
53歳時点の金融資産は約1億5,700万円
現在の金融資産は約1億2,000万円です。
そのうちインデックス投資を年4%で運用し、給与から貯蓄できる金額も追加投資します。
ただし、生活費は年2%上昇し、給与の手取りは増えない前提です。そのため、追加投資できる金額は徐々に減っていきます。
この条件で2029年3月末まで運用すると、退職前の金融資産は1億3,000万円台後半になる見込みです。
さらに、早期退職制度による加算を含めた退職金の手取り約1,950万円を加えると、退職直後の金融資産は約1億5,700万円になります。
内訳は、おおむね次のとおりです。
| 資産 | 53歳時点の概算 |
| 現金 | 約3,450万円 |
| インデックス投資 | 約1億800万円 |
| 高配当株 | 約1,500万円 |
| 合計 | 約1億5,700万円 |
退職金は追加投資せず、株価下落時の生活費や教育費に備えて現金で保有します。
現在の現金、インデックス投資、高配当株の配分については、以下の記事で公開しています。
関連記事:「5人家族の資産配分|教育費とFIREに備える現金・投資の考え方」
インデックス投資の3%取り崩しと配当金を使う
ここからは、必要な事業所得を比較するため、退職直後からインデックス投資を年3%取り崩すケースを試算します。
これは現在決めている取り崩し方ではなく、資産を計画的に取り崩した場合、毎月どの程度の事業所得が必要になるのかを確認するための比較ケースです。
今回の試算では、すべての金融資産に3%をかける方法は採用しません。
資産ごとの役割を次のように分けます。
- インデックス投資:年3%を目安に取り崩す
- 高配当株:元本は取り崩さず、配当金を生活費に使う
- 現金:株価下落時や教育費に備えて保有する
53歳時点のインデックス投資を約1億800万円とすると、初年度の取り崩し額は次のとおりです。
約1億800万円×3%=約324万円
これに高配当株の年間配当金約80万円を加えます。
約324万円+約80万円=約404万円
月平均では約34万円です。
高配当株を3%取り崩しの対象から外しているため、配当金との二重計算にはなりません。
その後は、物価上昇率年2%に合わせてインデックス投資の取り崩し額を増やします。配当金は増配を見込まず、年間約80万円のままとする保守的な前提です。
| 年齢 | インデックス取り崩し | 配当金 | 合計 |
| 53歳 | 約324万円 | 約80万円 | 約404万円 |
| 60歳 | 約372万円 | 約80万円 | 約452万円 |
| 64歳 | 約403万円 | 約80万円 | 約483万円 |
一般的な4%ではなく3%としたのは、教育費の負担が長く続き、50代からの取り崩し期間も長くなるためです。
なお、配当金や投資信託の売却には税金がかかる場合があります。実際の手取り額は、NISA口座と課税口座の割合によって変わります。
生活費だけなら月約15万円で補える
FIRE試算上の年間生活費は約540万円です。
わが家の実際の生活費と特別支出の内訳については、以下の記事で紹介しています。
関連記事:「5人家族の生活費は月平均約43万円|子ども3人家庭の家計を公開」
年2%の物価上昇を見込むと、2029年の年間生活費は約568万円になります。
初年度に使えるインデックス投資の取り崩しと配当金は、合計約404万円です。
差額は次のようになります。
約568万円−約404万円=約164万円
月平均では約13万7,000円です。
単純に生活費だけを補うなら、必要な事業所得は月約15万円が一つの目安になります。
ただし、会社を辞めると、給与から天引きされていた税金や社会保険料を自分で支払わなければなりません。
税金と社会保険料を含めると月約25万~30万円
会社を辞めると、給与から天引きされていた税金や社会保険料を自分で支払う必要があります。
退職後に発生する主な負担は次のとおりです。
- 住民税
- 健康保険料
- 国民年金保険料
- ブログなどの事業所得に対する所得税・住民税
特に退職後1年目は、前年の給与収入の影響が残るため注意が必要です。
2029年3月末に退職する場合、2028年の給与収入約1,000万円をもとに住民税や健康保険料が計算されます。
本人と子ども3人が国民健康保険へ加入した場合、退職後1年目の住民税、国民健康保険料、国民年金保険料は、合計で年間約195万~200万円となる見込みです。
一方、勤務先の健康保険を任意継続し、子ども3人を扶養にした場合は、年間約135万~140万円となる見込みです。
生活費だけを補うために不足する年間約164万円へ、税金・社会保険料を加えると、次のようになります。
| 健康保険の選択 | 年間不足額の目安 | 月平均 |
|---|---|---|
| 任意継続 | 約299万~304万円 | 約25万円 |
| 国民健康保険 | 約359万~364万円 | 約30万円 |
任意継続を利用する場合、税金・社会保険料まで事業所得で補う目標は月約25万円です。国民健康保険へ加入する場合は、月約30万円となります。
健康保険の選び方だけで、必要となる事業所得の目安に月約5万円の差が生じます。
ただし、この金額には、事業所得そのものにかかる所得税や住民税を正確には反映していません。また、実際には妻の収入や現金も利用できるため、この金額をすべてブログなどの事業所得だけで賄う必要はありません。
退職後1年目の税金・社会保険料と、国民健康保険・任意継続の比較については、次の記事で詳しく試算しています。
関連記事:「FIRE後の税金・社会保険料はいくら?退職後1年目の負担を試算」
教育費まで収入で備えるなら月約45万円が理想ライン
わが家で最も大きな将来支出は、子ども3人の教育費です。
想定している進路は次のとおりです。
- 小学校までは公立
- 中学・高校は私立
- 大学は私立理系
- 私立大学院へ2年間進学
- 大学・大学院の6年間は一人暮らし
現在の平均額で試算した教育費は、3人合計で約6,650万円です。
子ども3人分の教育費を、中学校から私立、大学・大学院は私立理系、一人暮らしという条件で試算した結果は、以下の記事で紹介しています。
関連記事:「子ども3人の教育費は約6,650万円|中学から私立・理系大学院まで試算」
教育費が特に重くなるのは、私が60代前半から半ばになる時期です。
教育費が少ない時期から収入の一部を現金で残し、将来の教育費まで事業所得で厚く備える場合、目標額は月約45万円になりました。
これは、月45万円のすべてをその年の生活費として使うという意味ではありません。
- インデックス投資の取り崩し:初年度は月約27万円
- 高配当株の配当金:月平均約7万円
- ブログ事業所得:月約45万円
- 教育費が少ない時期の余剰分:将来の教育費として保有
という組み合わせです。
物価が年2%上昇すると仮定した場合、理想とする事業所得の目安も少しずつ増やす必要があります。
| 時期 | 事業所得の目安 |
|---|---|
| 2029年 | 月約45万円 |
| 2035年 | 月約51万円 |
| 2040年 | 月約56万円 |
ただし、月約45万円はサイドFIREに必須の収入ではありません。
ジュニアNISAや現金を教育費に充て、必要に応じて金融資産を取り崩す場合は、ブログ事業所得が月45万円に届かなくても対応できます。
また、妻のパート収入や確定拠出年金も今回の試算には含めていないため、実際に必要となる事業所得は、もう少し少なくなる可能性があります。
ジュニアNISAはFIRE資産と分けて考える
わが家では、長女と長男のジュニアNISAで教育資金を運用しています。
これらの資産は金融資産全体に含まれていますが、FIRE後の生活費として取り崩す予定はありません。教育費が必要になった時期に、元本を含めて使う方針です。
一方、本記事のインデックス投資約1億800万円には、ジュニアNISAなどの教育資金も含まれています。そのため、約1億800万円の3%にあたる約324万円は、単純化した比較試算上の金額です。
実際にFIREを判断するときは、インデックス投資から子ども名義の教育資金を除き、生活費に使える資産だけで取り崩し額を再計算します。
その場合、本記事で示した月15万円よりも、必要な事業所得が多くなる可能性があります。
まとめ|必要収入は月15万~30万円、まずは月5万円を目指す
今回の試算では、必要な事業所得は、健康保険の選び方やどこまで収入で備えるかによって変わりました。
| サイドFIRE後に備える範囲 | 必要な事業所得 |
|---|---|
| 資産を取り崩しながら生活費を補う | 月約15万円 |
| 任意継続で税金・社会保険料まで補う | 月約25万円 |
| 国民健康保険で税金・社会保険料まで補う | 月約30万円 |
| 教育費まで収入で厚く備える | 月約45万円 |
月約15万円は、インデックス投資を年3%取り崩し、配当金と組み合わせて生活費を補う場合の最低ラインです。
退職後の税金・社会保険料まで事業所得で補う場合、任意継続を利用すれば月約25万円、国民健康保険へ加入すれば月約30万円が目安になります。
さらに、子ども3人の教育費まで毎月の収入から厚く備える場合は、月約45万円が理想ラインです。
ただし、これらは退職直後からインデックス投資を年3%取り崩す比較ケースです。実際には、妻のパート収入、確定拠出年金、ジュニアNISAの教育費への充当を含めていません。
また、現在のわが家では、退職後の最初の3年間は配当金、事業所得、現金を組み合わせ、課税口座やNISAを原則として売却しない方針です。退職後1年目の税金・社会保険料も、事前に現金で確保します。
そのため、月25万円や月30万円をブログだけで稼げることを退職条件にはしません。
まずはブログで月5万円の事業所得を安定して得られる状態を目指します。その後、生活費、健康保険、教育費、妻の収入、現金残高を確認しながら、月10万円、月15万円と段階的に増やしていく方針です。
今回の試算によって、必要な収入を一つの数字で決めるのではなく、健康保険の選択や資産の使い方を含めて考える必要があると分かりました。
今後、不動産の売却、金融資産、生活費、ブログ収入などの状況が変わった場合は、その都度試算を見直します。