投資・資産形成

住宅ローン1,800万円を一括返済すべき?投資信託の売却と運用継続を比較

2026年8月21日

わが家には、約1,800万円の住宅ローンが残っています。

金融資産は1億円を超えているため、課税口座の資産を売却すれば一括返済も可能です。

わが家が金融資産1億円超を築くまでの経緯は、以下の記事で紹介しています。

関連記事:「金融資産1億円超までの25年|50代会社員がやめた4つ・続けた5つ」

一方で、住宅ローンの金利は固定で約1.5%。低金利のローンを急いで返済せず、投資を続けた方が資産形成には有利かもしれません。

そこで今回は、実際の返済予定表と課税口座の評価額を使って、次の2つを比較しました。

  • 課税口座の資産を売却して住宅ローンを一括返済する
  • 住宅ローンの返済を続けながら投資も継続する

先に結論を書くと、現時点では課税口座の資産を売却して一括返済することは見送ります。

まずはNISAへの移行を優先し、相続した不動産の売却資金が確定した段階で、あらためて一括返済を検討する方針です。

この記事でわかること

  • わが家の住宅ローン残高と返済条件
  • 一括返済によって削減できる利息
  • 課税口座の資産を売却した場合の税金
  • 一括返済と投資継続のメリット
  • 現時点で一括返済を見送った理由

わが家の住宅ローン残高と返済条件

現在の住宅ローンの状況は、次のとおりです。

項目内容
住宅ローン残高約1,843万円
金利固定金利・約1.5%
残りの返済期間約15年
残りの返済回数180回
直近の返済額約12万6,000円
返済方法元金均等返済
住宅ローン控除終了済み
団体信用生命保険なし
一括返済手数料無料

わが家の住宅ローンは元金均等返済です。

毎月返済する元金は基本的に10万2,380円で、残高の減少とともに利息も少なくなります。そのため、毎月の返済額は現在の約12万6,000円から徐々に減っていきます。

最終返済予定は2041年7月です。

このまま返済すると残りの利息は約214万円

返済予定表をもとに、今後支払う利息を確認したところ、合計は約214万円でした。

つまり、今すぐ一括返済すれば、最大で約214万円の利息を削減できる計算です。

一括返済によって得られる効果は、住宅ローン金利と同じ約1.5%の運用益を確実に得ることに近いと考えられます。

投資のように価格が下がる心配もありません。

さらに、わが家の住宅ローンには団体信用生命保険が付いていません。ローンを残すことで死亡時などの保障を確保できるわけではないため、この点では完済しやすい条件です。

住宅ローン控除もすでに終了しており、一括返済手数料もかかりません。

こうして見ると、一括返済には十分なメリットがあります。

一括返済に使う場合の課税口座の資産

一括返済する場合は、課税口座で保有している海外ETFと投資信託の売却を考えています。

売却候補となる資産は、合計で約1,888万円です。

項目金額
評価額約1,888万円
取得価額約1,107万円
評価益約781万円

評価額だけを見ると、約1,843万円の住宅ローンを完済できそうです。

しかし、これらは課税口座で保有しているため、売却益には税金がかかります。

課税口座の資産を売却すると税金が約159万円かかる

上場株式や投資信託の譲渡益には、原則として所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて20.315%が課税されます。

評価益約781万円に20.315%を掛けると、税金は概算で約159万円です。

項目概算額
売却時の評価額約1,888万円
評価益約781万円
売却時の税金約159万円
税引き後の手取り約1,729万円
住宅ローン残高約1,843万円
完済に不足する金額約114万円

課税口座の対象資産をすべて売却しても、税引き後では住宅ローンの完済に約114万円不足します。

不足分を現金から出せば一括返済はできますが、評価額だけを見て「投資商品を売れば完済できる」と考えるのは正確ではありませんでした。

なお、実際の税額は売却時の価格や為替、取得価額、ほかの上場株式等との損益通算などによって変わります。

外国株式の売却益も、原則として円換算した金額をもとに計算されます。

参考:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」

参考:国税庁「外貨建取引による株式の譲渡による所得」

一括返済するメリット

住宅ローンを一括返済する主なメリットは、次のとおりです。

約214万円の利息を確実に削減できる

一括返済による効果は確実です。

投資では将来の利益が保証されませんが、住宅ローンを完済すれば、予定されていた利息の支払いはなくなります。

毎月約12万円の返済がなくなる

現在の返済額は月約12万6,000円です。

元金均等返済のため返済額は徐々に減りますが、完済すれば毎月の固定費を大きく下げられます。

今後、FIREや働き方の見直しを考えるうえでも、毎月の住宅費がなくなる安心感は大きいです。

教育費を確保しながらFIREを目指す考え方は、以下の記事で紹介しています。

関連記事:「50代・子ども3人でもFIREできる?教育費6,650万円と老後資金を試算」

団信がないためローンを残す保障上のメリットがない

団信付きの住宅ローンであれば、死亡や高度障害などの際に残債がなくなる可能性があります。

しかし、わが家の住宅ローンには団信がありません。

そのため、保障を残す目的で住宅ローンを維持する必要はありません。

投資を続けるメリット

一方で、すぐに一括返済しないことにもメリットがあります。

固定金利なので金利上昇の影響を受けない

金利は固定されているため、今後、市場金利が上昇しても住宅ローンの金利は変わりません。

変動金利のように、返済額の増加を心配して急いで完済する必要はありません。

投資を続ければ金利を上回る可能性がある

住宅ローン金利は約1.5%です。

海外ETFや投資信託の運用益が税引き後で年1.5%を上回れば、数字上は一括返済せずに運用を続けた方が有利になります。

課税を考慮すると、単純計算では年約1.9%を超える運用益が一つの目安です。

ただし、投資収益は保証されていません。住宅ローンの完済による利息削減と違い、相場によっては資産が減る可能性もあります。

売却時の課税を先送りできる

今回売却を考えている資産には、約781万円の含み益があります。

今すぐ売却すれば約159万円の税金が発生しますが、保有を続ければ課税時期を先送りできます。

この約159万円は、一括返済によって新たに発生する損失ではありません。将来、課税口座の商品を売却すれば、その時点で税金が発生する可能性があります。

それでも、税金として出ていく予定の資金を引き続き運用できる点は、保有を続けるメリットです。

NISAへの移行を優先できる

わが家では、課税口座の資産を少しずつ売却し、NISAへ移していきたいと考えています。

NISAでは運用益が非課税になるため、住宅ローンの一括返済に資金を使うと、NISAへ回せる資金が減ってしまいます。

2024年からのNISAは、1人当たり年間最大360万円、非課税保有限度額は最大1,800万円です。

限られた年間投資枠を活用するため、現時点では住宅ローンの返済よりもNISAへの移行を優先します。

参考:金融庁「NISAを知る」

現時点では一括返済を見送る

今回比較した結果、現時点では課税口座の資産をすべて売却して一括返済することは見送ります。

主な理由は、次の3つです。

  • 固定金利約1.5%で、今後の金利上昇リスクがない
  • 売却すると約159万円の税金が発生し、税引き後では完済資金が不足する
  • 課税口座からNISAへの移行を優先したい

ただし、「今後も住宅ローンを一括返済しない」と決めたわけではありません。

相続不動産の売却後にもう一度検討する

現在、相続した不動産の売却も検討しています。

売却できた場合、仲介手数料や残置物の処分費、譲渡所得税などを差し引き、残った金額を相続人2人で半分ずつ分ける予定です。

現時点では売却価格も最終的な手取り額も確定していません。

そのため、まだ受け取っていない資金を前提に住宅ローンの返済計画を決めることはできません。

不動産の売却後に手取り額が確定したら、次の方法を比較します。

  • 売却資金を住宅ローンの一括返済に使う
  • 売却資金と課税口座の一部売却を組み合わせる
  • 住宅ローンはそのままにしてNISAや教育費に充てる

子ども3人の教育費は、これから本格的に増えていきます。

子ども3人に必要な教育費については、以下の記事で試算しています。

関連記事:「子ども3人の教育費は約6,650万円|中学から私立・理系大学院まで試算」

住宅ローンを完済しても、手元資金が大きく減り、必要な時期に投資商品を売らなければならなくなっては意味がありません。

不動産の売却代金が確定するまでは、住宅ローン・教育費・投資資金のバランスを維持する方針です。

まとめ

住宅ローン約1,843万円を一括返済するか、投資を続けるか検討しました。

返済予定表によると、今後支払う利息は約214万円です。

一方、課税口座の資産約1,888万円を売却すると、含み益約781万円に対して税金が約159万円かかり、税引き後の手取りは約1,729万円となります。

そのため、対象となる投資商品をすべて売却しても、それだけでは住宅ローンを完済できません。

わが家では、現時点での一括返済は見送り、まずはNISAへの移行を優先します。

そして、相続不動産の売却後に受け取れる金額が確定した段階で、住宅ローンの一括返済をもう一度検討します。

一括返済と投資継続のどちらが正解かは、金利だけでは決められません。

売却時の税金、団信の有無、住宅ローン控除、今後必要になる教育費、手元資金の余裕まで含めて考えることが大切だと感じました。

※この記事は、わが家の状況をもとにした検討記録です。投資商品や住宅ローンに関する最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。

  • この記事を書いた人

みらい所長

大手メーカーに勤務する50代、3児の父。2019年からインデックス投資と高配当株を中心に資産形成を続けています。2026年には3人目の子どもの誕生を機に約2か月の育児休業を取得しました。資産形成、教育費、FIRE、家計、育児、相続など、自分で経験したことを実際の数字とともに発信しています。

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