私は2004年から2023年まで、勤務先の持株会を19年間続けました。
基本の積立額は月5万円で、会社から5%の奨励金も支給されていました。
しかし、最終的には持株会を退会し、保有していた勤務先の株を約900万円で売却しました。19年間の積立総額もおおよそ900万円だったため、結果はほぼプラスマイナスゼロです。
売却した資金は、高配当株を中心とした投資へ振り向けました。
持株会をやめた一番の理由は、投資について学ぶなかで、勤務先の一社だけに資産を集中させるリスクに気づいたからです。
この記事では、奨励金5%がありながら持株会をやめた理由、長く含み損を抱えても売却できなかった経験、約900万円を高配当株へ振り向けた後の変化について紹介します。
この記事でわかること
- 持株会を19年間続けた結果
- 奨励金5%があっても持株会をやめた理由
- 株価下落時に積立額を減らした経験
- 約900万円を高配当株へ移した経緯
- 一社集中から分散投資へ変更して感じたこと
持株会を19年間続けた結果
私が勤務先の持株会を始めたのは、2004年です。
基本的には月5万円を積み立て、会社からは積立額の5%にあたる奨励金が支給されていました。
月5万円を積み立てれば、会社から2,500円が加算されます。何もしなくても購入資金が上乗せされるため、持株会の大きなメリットだと感じていました。
しかし、19年間続けた結果、積立総額と売却額はどちらも約900万円でした。
奨励金があったにもかかわらず大きな利益につながらなかった理由の一つは、株価が低迷していた時期に積立額を減らしてしまったことです。
リーマンショック後の含み損に耐えられなかった
持株会を続けるなかで、リーマンショックや東日本大震災後の株価下落を経験しました。
勤務先の株価は低迷し、長い間、含み損を抱える状態が続きました。
当時の私は投資に関する知識が十分ではなく、株価が下がり続ける状況に大きな不安を感じていました。
そのため、月5万円だった積立額を月1万〜2万円に減らしました。
振り返ると、株価が下がっている時期は、同じ金額でも多くの株を購入できる時期です。しかし、当時の私はリスク許容度が低く、含み損に耐えられませんでした。
結果として、安い時期に多く買える機会を逃したと実感しています。
一社集中のリスクに気づいても売却できなかった
その後、投資について勉強するなかで、一つの会社だけに資産を集中させることのリスクを知りました。
持株会の場合、給与を受け取る勤務先と投資先が同じ会社になります。
会社の業績が悪化すれば、株価が下落するだけでなく、給与や賞与、場合によっては雇用にも影響が及ぶ可能性があります。
つまり、仕事と金融資産の両方を同じ会社に依存することになります。
一社集中を避けるべきだと分かってからも、すぐには売却できませんでした。
含み損のまま売却することに抵抗があったことに加え、「自分が勤めている会社の株だから、いつか戻るだろう」という気持ちもありました。
その結果、長い間、売却せずに保有し続けることになりました。
株価が戻った2023年に約900万円で売却
2023年、勤務先の株価が戻り、損益がほぼプラスマイナスゼロになったタイミングで売却しました。
売却額は約900万円です。
大きな利益を得られたわけではありません。しかし、含み損を理由に保有し続けていた一社集中の状態を解消できたことには、大きな意味がありました。
持株会を19年間続けたことで、「長く持っていれば必ず大きく増えるわけではない」「奨励金があっても、投資先の分散は必要」ということを実感しました。
売却した約900万円を高配当株へ振り向けた
持株会を売却して得た約900万円は、高配当株を中心とした投資へ振り向けました。
その後も追加投資を続け、現在は次のような複数の業種に分散しています。
- 商社
- 銀行
- 保険
- 通信
- 自動車
- 医薬品
- 建設
- 機械
- エネルギー
保有銘柄には、INPEX、伊藤忠商事、三菱商事、NTT、KDDI、東京海上ホールディングスなどがあります。
なお、現在の高配当株ポートフォリオには、持株会の売却資金約900万円だけでなく、その後の追加投資分も含まれています。
持株会では、勤務先一社の業績や株価に資産が大きく左右されていました。現在は複数の企業や業種へ分けて投資しているため、一社の株価が下がっても、資産全体への影響を抑えやすくなりました。
現在のインデックス投資、高配当株、現金の配分については、以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:「5人家族の資産配分|教育費とFIREに備える現金・投資の考え方」
持株会の経験が暴落への向き合い方を変えた
持株会で含み損を抱えていた当時は、株価の下落に耐えられず、積立額を月5万円から月1万〜2万円へ減らしました。
しかし、この経験は無駄ではありませんでした。
大きな下落が起きても、慌てて売却したり積立額を減らしたりせず、投資を続けることの大切さを学べたからです。
その後に経験したコロナショック、ロシアによるウクライナ侵攻、2024年8月の株価急落、トランプ関税をめぐる相場下落でも、以前のように動揺することなく投資を継続できました。
持株会で長く含み損を経験したことで、自分のリスク許容度を理解できるようになったと感じています。
また、現在は一社だけに集中せず、インデックス投資と複数業種の高配当株へ分散しています。この分散も、株価が大きく下がったときに落ち着いていられる理由の一つです。
今からやり直すならインデックス投資を選ぶ
もし2004年当時に戻ってやり直せるなら、私は持株会ではなく、最初からインデックス投資を選びます。
持株会には、奨励金を受け取れるメリットがあります。しかし、勤務先一社へ資産を集中させることには、それ以上に慎重になる必要があります。
インデックス投資であれば、一つの商品を通じて多くの企業や国へ分散できます。
もちろん、持株会そのものが悪いわけではありません。会社の奨励金、売却に関するルール、ほかの金融資産とのバランスによっては、有効に活用できる人もいると思います。
利用する場合でも、持株会だけに資産を集中させず、一定額まで増えたら売却するなど、自分なりのルールを決めておくことが大切です。
インデックス投資や高配当株投資を取り入れ、金融資産1億円超に至るまでに続けてきたことは、以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:「金融資産1億円超までの25年|50代会社員がやめた4つ・続けた5つ」
持株会をやめてよかったと思う理由
現在振り返ると、持株会をやめた判断はよかったと思っています。
最も大きな理由は、勤務先一社への集中を解消し、さまざまな企業や業種へリスクを分散できたことです。
持株会を続けていた頃は、勤務先の株価が資産全体に大きな影響を与えていました。現在はインデックス投資と高配当株投資を組み合わせているため、一社の値動きを以前ほど気にする必要がありません。
高配当株から配当金を受け取れることも、投資を続ける実感につながっています。
一方で、持株会で経験した含み損や積立額の減額も、現在の投資方針を作るきっかけになりました。
失敗だったと切り捨てるのではなく、自分のリスク許容度や分散投資の大切さを学ぶために必要な経験だったと考えています。
まとめ|持株会から高配当株へ切り替えて分散の大切さを学んだ
私は持株会を2004年から19年間続け、2023年に約900万円で売却しました。
今回の経験をまとめると、次のとおりです。
- 持株会には基本的に月5万円を積み立てた
- 会社から5%の奨励金が支給されていた
- リーマンショックや東日本大震災後の含み損に耐えられず、積立額を月1万〜2万円へ減らした
- 一社集中のリスクに気づいても、含み損がある間は売却できなかった
- 株価が戻った2023年に約900万円で売却した
- 売却資金を高配当株へ振り向け、その後も追加投資を続けた
- 現在はインデックス投資と複数業種の高配当株へ分散している
- 過去の経験を生かし、その後の株価下落でも投資を継続できるようになった
奨励金があることだけで、持株会を長く続けるべきとは限りません。
大切なのは、勤務先の株が自分の金融資産全体に占める割合と、一社へ集中するリスクを確認することです。
私にとって持株会から高配当株への切り替えは、単に保有銘柄を変更しただけではありません。
一社へ集中する投資から、複数の企業や業種へ分散する投資へ考え方を変える、大きな転機になりました。
※この記事は、筆者自身の投資経験を紹介するものであり、特定の金融商品や銘柄の購入を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断は、ご自身の状況やリスク許容度を踏まえて行ってください。