家計・節約

団信なしで住宅ローンを組んだ体験談|会社の死亡保険を選んだ理由

2026年9月19日

住宅ローンを組むとき、団体信用生命保険(団信)へ加入するのが一般的です。

しかし、私は2015年に4,300万円の住宅ローンを組んだ際、団信には加入しませんでした。

団信に入らなかったのは、保障を何も用意しなかったからではありません。もともと勤務先を通じて死亡・高度障害に備える保険へ加入しており、その保険を団信の代わりに利用できると考えたためです。

勤務先から勧められたのは保険への加入そのものであり、団信の代わりに使うことを勧められたわけではありません。団信に入らず、会社の保険を利用することは自分で判断しました。

会社の保険は掛金が団信より安く、毎年配当金も戻ってきます。一方で、住宅ローン残高に合わせて保障額を自分で見直す手間など、団信にはない注意点もあります。

結論からいうと、私は今振り返っても同じ条件なら団信には加入しません。ただし、勤務先の制度や保障内容は人によって異なるため、誰にでも同じ方法を勧めるものではありません。

この記事でわかること

  • 私が団信に加入しなかった理由
  • 会社の死亡・高度障害保険を利用した方法
  • 団信と会社の保険の違い
  • 現在の保障額、掛金、配当金
  • 団信なしを選ぶ前に確認したい注意点

2015年に4,300万円をフラット35Sで借りた

私が住宅ローンを組んだのは2015年です。

当初の借入条件は次のとおりでした。

項目内容
借入年2015年
当初借入額4,300万円
返済期間35年
返済方法元金均等返済
住宅ローンフラット35S(金利Aプラン)
固定金利年1.54%
当初10年間の適用金利年0.94%
団体信用生命保険なし
住宅ローン控除10年間利用

当時のフラット35S(金利Aプラン)では、当初10年間、通常の借入金利から年0.6%引き下げられました。

そのため、固定金利は年1.54%ですが、当初10年間の適用金利は年0.94%でした。

参考:国土交通省「住宅金融支援機構のフラット35Sの金利引下げ幅の拡大等」

なお、借入後の早い時期に、複数回に分けて合計1,100万円を期間短縮型で繰り上げ返済しています。

現在の住宅ローン残高は約1,843万円、残りの返済期間は約15年で、最終返済予定は2041年7月です。

団信に加入すると死亡・高度障害時に住宅ローンが返済される

団信は、住宅ローンの返済中に契約者が死亡した場合や、所定の高度障害状態になった場合などに、保険金で残りの住宅ローンを返済する仕組みです。

一般の生命保険と異なり、保険金は金融機関へ支払われます。そのため、支払事由に該当すれば住宅ローン残高がなくなり、家族が返済を引き継がずに済みます。

団信には、次のようなメリットがあります。

  • 住宅ローン残高と保障額が自動的に連動する
  • 家族が受け取った保険金から住宅ローンを返済する必要がない
  • 保障額を自分で見直す手間がない
  • 商品によっては、がんや3大疾病などにも備えられる

一方、2015年当時のフラット35では、団信への加入は任意で、特約料を住宅ローン返済とは別に年1回支払う仕組みでした。

フラット35の団信制度は2017年10月1日申込受付分から変更され、現在は団信に必要な費用を毎月のローン返済へ組み込む方式になっています。

この記事で紹介している費用は2015年当時の制度に基づくものであり、現在のフラット35を検討する場合の条件とは異なります。

参考:住宅金融支援機構「団体信用生命保険(団体信用生命保険制度のご案内)」

団信ではなく会社の死亡・高度障害保険を選んだ理由

私が団信に加入しなかった最大の理由は、勤務先を通じて加入していた保険にコストメリットがあったからです。

この保険では、死亡した場合だけでなく、所定の高度障害状態になった場合も保障されます。

住宅ローンを組む前から加入していたため、団信へ新たに加入する代わりに、会社の保険で住宅ローン返済に必要な保障を確保することにしました。

ただし、会社の保険と団信は、どちらも死亡・高度障害を保障するからといって、支払条件まで完全に同じとは限りません。

また、団信は保険金によって住宅ローンが直接返済されますが、会社の保険では指定した受取人が保険金を受け取ります。住宅ローンの返済に使う場合は、家族が金融機関で手続きをする必要があります。

保険金の使い道を家族が決められるのはメリットですが、団信のように自動的に住宅ローンがなくなるわけではない点には注意が必要です。

当時の団信は完済まで約158万円と試算した

2015年当時、フラット35の団信へ加入すると、借入額4,300万円の場合、初年度の特約料は約15万4,000円になる計算でした。

さらに、当時の返済計画と合計1,100万円の繰り上げ返済を反映して試算したところ、完済までに支払う団信の特約料は約157万8,000円となる見込みでした。

これは実際に支払った金額ではなく、2015年当時の制度と返済計画に基づく試算額です。特約料率や繰り上げ返済の時期などによって、実際の金額は変わります。

一方、会社の保険は年齢と保障額によって掛金が変わります。さらに、毎年の決算状況などに応じて配当金が戻る仕組みでした。

当時、団信と会社の保険を比べた結果、会社の保険のほうが負担を抑えられると判断しました。

ローン残高に合わせて保障額を数年ごとに見直した

団信であれば、住宅ローン残高が減るのに合わせて保障額も自動的に減っていきます。

しかし、私が加入している会社の保険では、自分で保障額を変更する必要があります。また、年齢によって掛金も変わります。

そこで、住宅ローン残高を確認しながら、数年ごとに保障額を見直してきました。

現在の状況は次のとおりです。

項目現在の状況
住宅ローン残高約1,843万円
死亡・高度障害保障2,000万円
月額掛金3,300円
年間掛金3万9,600円
昨年の配当金約1万1,000円
配当後の実質負担約2万8,600円

年間掛金3万9,600円から昨年の配当金約1万1,000円を差し引くと、実質負担は年約2万8,600円です。月平均では約2,400円となります。

配当金は毎年同じ金額ではなく、将来の支払いも保証されていません。それでも、掛金の一部が毎年戻ってくることは、団信と比較したときのメリットでした。

会社の保険を利用して感じたメリット

団信より負担を抑えられた

私の場合、会社の保険は団信より掛金が安く、さらに毎年配当金が戻ってきました。

住宅ローンは長期間返済するため、毎年の差が小さく見えても、長い期間では大きな違いになります。

必要な保障額へ変更できる

繰り上げ返済や毎月の返済によって住宅ローン残高が減れば、それに合わせて保障額を引き下げられます。

自分で管理する必要はありますが、保障が過剰にならないよう調整できました。

配当金が戻ってくる

私が加入している保険では、毎年の決算状況などに応じて配当金が支払われます。

昨年は約1万1,000円が戻り、掛金の実質負担をさらに下げられました。

退職後も条件を満たせば継続できる

加入している制度では、退職時点で過去6か月以上継続加入していることなど、所定の条件を満たせば退職後も継続できます。

ただし、退職時の保障額と同額またはそれ以下にする必要があり、退職前の申し出も必要です。申し出をしなければ脱退扱いとなるため、退職を考えるときには忘れずに確認しなければなりません。

制度内容は勤務先や保険によって異なり、将来変更される可能性もあります。

団信ではなく会社の保険を使う注意点

保障額を自分で管理する必要がある

住宅ローン残高と保障額は自動的に連動しません。

見直しを忘れると、保障額が不足したり、反対に必要以上の保障へ掛金を払い続けたりする可能性があります。

私は数年ごとに見直していますが、管理の手間がかからないことは団信の大きなメリットです。

年齢によって掛金が変わる

会社の保険は年齢によって掛金が変わります。

住宅ローン残高の減少に合わせて保障額を引き下げても、年齢区分が変わることで掛金が上がる場合があります。

現在の保険料だけで判断せず、将来の年齢別掛金も確認しておく必要があります。

保険金で住宅ローンが自動的に完済されるわけではない

団信では、保険金が金融機関へ支払われ、住宅ローン残高の返済に充てられます。

会社の死亡保険では、指定した受取人へ保険金が支払われます。家族が住宅ローンを完済する場合は、保険金を受け取った後に返済手続きを行う必要があります。

万一に備えて、加入している保険の内容や住宅ローンの金融機関、残高を家族と共有しておくことも大切です。

会社の制度が将来も同じとは限らない

勤務先の保険制度は、保障内容、掛金、配当、退職後の取り扱いなどが変更される可能性があります。

団信の代わりとして利用するなら、毎年届く案内を確認し、住宅ローン完済まで保障を続けられるか定期的に点検する必要があります。

借入当初は1,100万円を繰り上げ返済した

私は住宅ローンを組んだ後、早い時期に複数回に分けて合計1,100万円を期間短縮型で繰り上げ返済しました。

当時は、借金を早く減らすことによる安心感を優先していました。しかし現在は、固定金利が低い住宅ローンを急いで返済するよりも、教育費や急な支出に備えて金融資産を残す考えに変わっています。

現在の住宅ローンを一括返済するか、投資を続けるかについては、次の記事で詳しく比較しています。

関連記事:住宅ローン1,800万円を一括返済すべき?投資信託の売却と運用継続を比較

現時点では、金融資産を売却して一括返済することはせず、手元資金と運用資産を残しながら住宅ローンの返済を続ける方針です。

今振り返っても団信には入らない

2015年に戻って同じ条件で選べるとしても、私は団信には加入せず、会社の保険を利用します。

保障額を自分で管理する手間はありますが、死亡と所定の高度障害に備えられ、掛金が安く、毎年配当金も戻ってくるためです。

ただし、これは私が勤務先の保険を利用でき、その保障内容や掛金にメリットがあったから選べた方法です。

団信なしを検討する場合は、少なくとも次の点を確認する必要があります。

  • 死亡だけでなく高度障害も保障されるか
  • 団信と会社の保険で支払条件にどのような違いがあるか
  • 住宅ローン残高を十分にカバーできるか
  • 年齢が上がったときの掛金はいくらか
  • 転職や退職後も保障を継続できるか
  • 保険金の受取人と請求方法を家族が把握しているか

団信の費用だけを見て加入しないと決めるのではなく、保障範囲、管理の手間、退職後の取り扱いまで含めて比較することが大切です。

まとめ

私は2015年にフラット35Sで4,300万円を借りた際、団信には加入せず、勤務先を通じて加入していた死亡・高度障害保険を利用しました。

当時試算した団信の特約料は、繰り上げ返済を反映しても完済まで約157万8,000円でした。一方、会社の保険は掛金を抑えられ、毎年配当金も戻ってきます。

現在は、住宅ローン残高約1,843万円に対して保障額を2,000万円に設定しています。月額掛金は3,300円で、昨年の配当金を差し引いた実質負担は年約2万8,600円でした。

保障額を自分で見直す手間や、保険金で住宅ローンが自動的に完済されない点には注意が必要です。それでも、私の場合はコストと保障内容を比較した結果、団信に入らない選択にメリットがあったと考えています。

住宅ローンや勤務先の保険制度は人によって異なります。団信なしを検討する場合は、費用だけでなく、保障条件と将来の継続条件まで確認したうえで判断することが大切です。

※この記事は、わが家の契約内容と経験をもとにした記録です。住宅ローンや生命保険に関する最終的な判断は、ご自身の契約条件や家計状況に合わせて行ってください。

  • この記事を書いた人

みらい所長

大手メーカーに勤務する50代、3児の父。2019年からインデックス投資と高配当株を中心に資産形成を続けています。2026年には3人目の子どもの誕生を機に約2か月の育児休業を取得しました。資産形成、教育費、FIRE、家計、育児、相続など、自分で経験したことを実際の数字とともに発信しています。

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